海はねてまて(果報は寝て待て、海も寝て待て)

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事故管理と自己管理 2012年04月17日

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レクリエーションダイビングとは、ご存知の通り基本的に楽しむものです。


しかし、残念ながら事故というものは起きてしまっています。最近良く耳にするんですよ。どのスポーツにも言える事なのですが、事故を完全にゼロにすることは不可能であり、これを出来る限り起こらないようにする為に、色々な方法で防ぐ努力をしなくてはなりません。もちろん不可抗力的な事故というものも存在しているので、努力しても報われないこともあると思います。今回は最近のダイビングと事故について思っていることを書いていきたいと思います。


現在、ダイビングをする場合、ショップで講習を受け、カードの認定を受け、ショップにてツアーの予約をして、ファンダイビングに行く、というパターンが主流になっております。しかし、そもそもダイビングのカードは、資格(ライセンス)ではなく認定証であり、各個人(最低2人ですが)で基本的に楽しむ事が出来ます。ご自分で器材などを持っていれば、プロフェッショナルが同行していなくても、ご自分達だけで海に潜る事は基本的には可能なのです。現在でも、ガイドなしのバディー潜水で行っている海域もありますが、僕は本来このスタイルを定着させていくべきだと思っております。


となると、ガイドの必要性というのは何のか?と言う事になるのですが、読んで字のごとく基本的に水中のガイドをすることになります。もちろん安全面も考慮するのですが、ダイバーの皆様が認定証を持っている以上、基本的技術はあるものとして動かないと、普通のファンダイビングは難しいのです。これをクリアーして初めてガイドの本来の仕事が進歩していくと思っています。


分かりやすい例として、運転免許の講習を始めて、免許をもらって、ご自分でドライブを楽しむまでの流れは、非常にダイビングと似ております。免許を持ったからと言って、すぐに優れたドライバーになっているわけではありませんよね。まずは近場から運転して、だんだん遠くへ行き、そのうち山道や雪道などもクリアーしていくと思います。ダイビングも認定証をもらったからと言って、すぐに優れたダイバーではないですし、海に潜るにしても、その潜る場所が自分の技量にあっているのか?と言う事が重要です。


もしも3台の車でドライブに行くとします。1人のドライバーが免許を取ってから数年運転しておらず、アクセル操作やブレーキ操作、交通ルールなどかなり忘れてしまっていたら、このドライブはかなり変わったものになってしまうことでしょう。車の運転の場合、アクセルとブレーキ操作の間違いだけで簡単に事故に繋がってしまいます。ダイビングもドライブも、基本的技術は自分で磨きをかけていくものです。基本技術は考えるものではなく、慣れていくものなので、忘れないようにこまめに復習する事だと思います。


車と違って、ダイビングの場合は、技術面など忘れてしまった方用のコースがちゃんと用意されております。もちろん普通のファンダイビングよりもお値段は高めに設定しております。しかし、この値段設定のおかげでこれを選ばない方がとても多いです。それは単純に安い方が良いからです。ですので、普通のファンダイビングで申し込み、現場に来てファンダイビングではなくなぜか講習になってしまっています。


正直言って、最近の考え方の主流として、「何かあれば誰かの責任にしようとする」的なことが多いのではないでしょうか?もちろん対処法としては良い考え方かもしれませんが、保険と同じくまったく予防をしていない事になります。事故の管理とは、まず自己の管理から始まると思います。サービス業の進化はどんどん自己の管理能力を失っていく仕組みになっており、それを反対に商売にしてる事が多いですが、これは人間本来のポテンシャルを無くす方向へ進めているのではないでしょうか?
そして、ダイビングの講習ですが、こちらは、必ずインストラクターが行う形になります。この講習では、ご自分達でダイビングが出来るように、最低限の技術と安全面を学び、なおかつこれらをパスして認定証を手にすることが出来るのですが、やはりこの辺にも少しおかしい部分が発生しております。


こちらも分かりやすい例は運転免許なのですが、講習を受けた方はお分かりのように、この講習は、与えられた技術が出来たら次に進めると言うスタイルで、何日間で絶対に取れると言うスタイルでは本来ありません。実はダイビングもこのスタイルなのですが、最近の傾向としては、ショップ側の利益問題が絡み、決められた日数で認定証を発行してしまうケースが殆どです。受ける側の立場の方達も、短期間でなるだけ安くを求めているので、この傾向は益々増えて行っております。短期間が悪いわけでも、安いのが悪いわけでもなく、これらを全ての人たちに当てはめている事が問題だと思っております。


ダイビングも例外ではなく、油断をすればすぐに事故に繋がるレクリエーションです。色々とえらそうな事を書きましたが、人と人を結び、なおかつ自然と向き合うダイビングは、人としての生き方を考え直す重要なレクリエーションだと思っております。これからもっともっと形を変えていき、事故の無いみんなが普通に楽しめるスタイルになって行くように願っております。

 


seaforest - HIRO

 


本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]


KOJI (2012-05-29 21:58)
お久です。

毎年船に乗って思うことですが、全てではないですがガイドさんがゲストの
機材のセッティングをしているのが不自然に感じますね。
それすらもガイドの仕事と勘違いしているゲストもゲストですがね!
機材のセッティングができない人はダイビング中止とかあれば少しはマシに
なるような^^;

あと、事故管理・自己管理で、いつも旅行時に海外旅行保険に入って
行きますが、スキューバーダイビングは危険なスポーツに分類されて
いないんですよね!
この辺りも、お気軽スポーツと思われているのかな~?
ガイドもしくはイントラがついているから安全と勘違いしているのか?
誰かに頼った安全ほど危険なものは無いと思うんだけど。

かなり危険と隣り合わせなスポーツだと思うんだけど価値観の違いなのか、利益問題なのか不思議だと思ってます。

どちらの自己(事故)管理も最低限できる知識と経験があれば、もっと
楽しめると思ってます。

 

HIRO (2012-06-02 11:25)
KOJIさん
お久しぶりです。コメント有難うございます。機材のセッティングについては考え方が色々と分かれているようですね。僕の場合は自己機材の方はご自分でしてもらい、レンタル機材は僕がセッティングしてしまう場合が多いです。

体験ダイビングなどの場合は除きますが、自己管理というのも含めてダイビングだと思っております。なかなか難しい問題で、すべてをお客様に管理して下さいというのも難しい話で、ガイドも船会社もお客様も、それぞれの範囲で自己管理をするのがベストではないかと思います。

昔、ダイビングは危険ということで保険は掛かりませんでしたが、保険が出てきたということは、ある意味事故の比率の少ないレジャーということが認められたので、僕的には嬉しいです♪

レクリエーションには全て共通すると思いますが、最低限のルールを守って初めて楽しむことが出来るものだと思います。安全に楽しくダイビングをする為に、まだまだ色々と考えていかねければいけませんね。頑張りまーす!