海はねてまて(果報は寝て待て、海も寝て待て)

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サンゴ問題・・・サンゴの保護?人間の改革?2011年02月10日

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今年に入り、僕のホームグラウンドのタイの海で、海洋国立公園7ケ所の中の、18のダイブサイトが閉鎖しました。名目はサンゴの保護と言う感じです。シミラン諸島は9つの島からなる諸島ですが、すでに、3つの島&いくつかのダイブサイトが閉鎖されております。理由は様々で、野鳥の保護、カメの産卵の保護、そしてサンゴの保護&調査です。


今回は特に、サンゴの保護と言う点に重きを置きたいと思います。世界各地でサンゴの白化現象などが起こっておりますが、これは別に今に始まった話ではありません。モルジブも沖縄もかなり前からこの現象が確認されております。そして、ホワイトシンドロームや謎の腫瘍など、どんどん新しいサンゴの被害が世界各地から報告されております。


ホワイトシンドロームとは、オーストラリアや沖縄で近年発見された、サンゴ組織が徐々に壊死していくサンゴの病気です。壊死した部分の骨格がむき出しになり白く見えますが、やがて藻に被われてきます。自然には回復せず、やがて群体全体に広がり死滅させる感染症の一種との見方もありますが、原因や治療方法は不明とのこと。唯一、感染部分を削除すれば、感染の拡大は防げることがわかっているらしいのですが、その根本原因、根本対策は解明されていないそうです。


ちなみに、海水温が高くなったり群体の規模が大きかったりすると、発生しやすいとの研究成果も出ています。ちなみにサンゴと共生する褐虫藻が脱落して白くなる「白化現象」とは別の現象みたいです。まだハッキリとした原因は不明のこの現象たちは、世界中にじわじわ広がりを見せていて、近い将来サンゴは存在出来くなるのではないかと言われております。


ハッキリとは言えませんが、おそらく長年の人間の生産活動が、自然の許容範囲を超えてしまった事による、自然の当然の反応なのだと思います。このままこの現象が続くと地球は困りませんが、人間はかなり困ってしまうことでしょう。


ではどうすればよいのでしょうか?色々な意見が出ている現在ですが、温暖化による原因説が最も広く伝わっているので、CO2の削減と言うことが多く取りあげられています。電源供給の元を化石燃料に頼らないと言う作戦が世界で一番支持を受けているみたいです。


でも、例えば僕は電力会社ではないので、こういったことは出来ません。私たち個人個人が出来る事としては、食料、電気、いろいろな物、などの無駄をなくすことでしょう。これから世界の目指している「持続可能なシステム」と言う中に、自然に帰らないゴミは存在しません。ですので、ゴミを出さないと言うのも大切ですが、ゴミになるようなものは最初から作らないと言うのが一番良い方法だと思います。


あとは精神的な分野になってしまい申し訳ないのですが、簡単簡潔な「幸せの定義」などもとても重要な課題だと思います。この定義は人間関係がとてもネックになっている問題です。日本の漢字の「人間」は人の間で生きるという意味を持っているようで、非常に分かりやすく人の生きる様を表している字だと思います。


サンゴの問題と言うのは、「現在の人間社会を根本的に見直してね♪」と言う自然からのメッセージの可能性もあります。サンゴの保護と言う問題から始まりましたが、行き着くところ、サンゴの保護は人間社会の改革にかかっているのかも知れません。また、違った見方をすれば、自然とはもともと人が計れるシステムで動いているものではないので、「この現象も自然の一部だよ。動揺しないでね?」というメッセージかも知れません。さてどちらなのでしょう?

 


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